ルンバ・フラメンカの名曲「コーヒールンバ」を、ウクレレで弾いてみたい。
しかし、ネット上にあるこの曲の楽譜は、正直言ってどれも弾きたいと思えるものがない。
ならば、自分で譜面にしてみよう!
ということで、現状最もかっこいいと思うパコ・デ・ルシアのバージョンを、ウクレレ・ソロTAB譜にアレンジしてみたので、譜面を掲載し弾き方のコツを書いておく。
フラメンコ版「コーヒールンバ」はデュエット曲
まずは、パコ・デ・ルシアの弾いている「コーヒールンバ(原題はMoliendo Cafe)」が、どれだけかっこいいか聴いてもらおう。
この曲は、パコ・デ・ルシアとリカルド・モドレーゴによる二重奏で、フラメンコギターの魅力を最大限に引き出す名曲中の名曲だ。
筆者もフラメンコギターを弾くが、そのきっかけになったのがこの曲。
しかし、この曲はギター2本によるデュエット、ギター用の楽譜もデュエットになっている。
なんとかこのバージョンを、ウクレレ・ソロに直せないものか?
2本のギターパートのいいとこ取り
そのヒントは、ギター教室の大先輩の演奏にあった。
初めて聴いたのは、教室に入ったばかりのほぼ20年前。その大先輩は、パコ・デ・ルシア・バージョンをフラメンコギター1本で弾いていた。
要は、1st.と2nd.パートのいいとこ取りだ。
それを思い出しながら、まずはギターの譜面を見ながら、ウクレレで弾いてみた。
ギターの楽譜はEマイナーなので、なるべく同じ運指で弾けるよう、ウクレレではAマイナーに変更。そして、6弦まであるギターの楽曲を、4弦のウクレレで表現するため、簡素化できるところは簡素化した。
中〜上級者向けウクレレTAB譜「コーヒールンバ」
あれこれ試行錯誤してできたのが、以下TAB譜。MuseScoreで作成したので、音声ファイル(MP3)も添付しておく。
High-G用に書いてあるが、Low-Gでも雰囲気が出るだろう。
レベルとしては、ウクレレ中級者から上級者向けの曲だろうか。
以下、簡単にポイントを書いておく。
ルンバ・フラメンカの基本リズム
フラメンコギターによるルンバ・フラメンカの基本リズムは、パートA、7小節目が顕著だ。
ウクレレのストラム同様、ダウン&アップストロークだが、16分休符の箇所は弦全体を手のひらで抑えてミュートする。これを素早く行うのが、ルンバ・フラメンコの最大の特徴だ。
コードは書いていないが、基本コードはAm→G7→F7→E7による循環パターン。
三連譜のアバニコによるラスゲアード
ラスゲアードは、フラメンコ独特の奏法。しかし、同じ撥弦楽器のウクレレでも、ラスゲアードで雰囲気を出すことができる。
ウクレレの三連譜のストラムは、
だが、フラメンコギターの場合は、
となる。2本指でのダウンストロークは、セコ(又はセーコ)という。
どちらの弾き方でも良く、要は三連譜が早くスムーズに弾ければ良いということ。
最初の三連譜ラスゲアードは、パートB、14小節目の、ソロ・ピッキング直後のストラムの中に取り入れられている。
また、最大の見せ場は、パートE、38小節目の三連譜の連続箇所。ここがきれいにキマると、ギターに負けない「コーヒールンバ」になる。
運指はお好きなように
筆者が通ったギター教室では、楽曲のオリジナルな運指を重視しながらも、なめらかな演奏を優先するため、運指のアレンジを自分で考えさせてくれた。
その記憶があるため、今回のTAB譜には運指の番号をふっていない。
弾く人の弾きやすいように運指すれば良い、というためだ。
最低限、セーハの箇所だけはふってある。
また、ポジションも、ローポジ・ハイポジお好みで番号をふりなおしてもらっても構わない。
TAB譜のダウンロードは無料、でも
今回制作のTAB譜は、できる限り原曲の雰囲気を取り入れたつもりだが、いかがだろうか?
パソコンで作った電子音では雰囲気は出ないが、残念ながらウクレレ初心者の筆者は、まだこれを弾きこなすことができない。
ギターでは弾けるのだが、小さなウクレレのフレット上では上手く弾けないので、自身の演奏ファイルを載せることができなかった。
フラメンコバージョンの「コーヒールンバ」をウクレレで弾いてみたい!という方は、パコ・デ・ルシアのオリジナル音源と、筆者が作成したMP3の音源を聴き比べながら、弾いてみてほしい。
また、TAB譜は無料にてダウンロードが可能だが、もし気に入っていただけたら、以下からサポートしてもらえると有り難い。
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