筆者は旅行会社を運営しており、自身今まで何度かヨーロッパへ添乗員として出かけている。
中でも回数が多いのはイタリア。
滞在中はわずかな自由時間や、食後のコーヒーとして様々な土地でエスプレッソを飲みまくった。
もちろん、フランスやスペインなどその他の国でも飲んだことはある。
しかし、イタリアのエスプレッソは、どこで飲んでもとっても旨い。
なぜ、あんなにも美味いのか?
バリスタではないが、個人的にエスプレッソの魅力を探ってみたい。
イタリアは日本ととっても近しい国
実は、イタリアは他のどの国よりも、日本とよく似ている。
例えば、
- 国土が南北に細長い
- 土地ごとにある麺文化と米文化(リゾット)
- 英語やフランス語とは違う、日本人にも発音しやすい言語
- 温泉(テルメ)と地震大国
といったことなど。
その中で、最も顕著なのは「麺文化」だろう。
日本では、蕎麦とうどんを合わせると、北から南まで実に様々な種類がある。そして、イタリアも、北から南まで様々な形状のパスタやそのレシピがある。
味覚も似ている。北部の料理は意外と味が濃いが、南部は素材の味を生かした料理が多い。
だから、日本人で「イタリア料理が好き」という人は多いのかもしれない。料理だけに限らず、これだけ似ているところがあれば、シンパシーを感じないわけがない。
かくいう筆者も、仕事を抜きにしても、絶えずイタリアへ行きたいと考えている。
また、イタリアの人々は、どこか日本人ぽい、というか、人懐っこい。
いつもイタリアへ行って思うことは、
「イタリアの人って、大阪のおっちゃんのようだな」
ということ。
ローマやミラノといった大都市ではいざ知らず、筆者が仕事で赴く小さな村では、日本から来た人が困っていると、言葉も通じないのに、いきなり話しかけてきて「あーだ、こーだ」と世話を焼く。
大阪へ行った時もそうだ。
道に迷って地図を見ていると、突然後ろから話しかけてきて、
「あー、そこやったらな…」
と勝手に道案内を始める。こんな思いをした経験があるのは、筆者だけではないと思う。
こんなにもイタリアと日本との共通点が多いことを、まず念頭に置いておこう。
エスプレッソはイタリア発祥
見出しタイトルの通り、エスプレッソはイタリア発祥のコーヒーの抽出方法のこと。
豆は深煎り、それをミルで挽いたのち水蒸気で加圧して抽出する。
普通のコーヒーとは淹れ方が違うため、専用のエスプレッソマシンを使用して淹れる。手動ならマキネッタ(エスプレッソ・メーカー)、全自動ならエスプレッソマシンだ。
これらを使用することにより、より高い圧力をかけて抽出するため、普通のコーヒーとは違う、より濃いコーヒーを淹れることができる。
抽出されたコーヒーは、黄金色の泡が浮かび、これが「クレマ」と言われるもの。他のコーヒーにはない、コーヒー豆が持つ本来の甘みを引き出す。
これが、イタリアのエスプレッソが旨い理由だろう。
だが、深煎りのコーヒー豆を使用して、エスプレッソマシンで淹れるのであれば、フランスその他の国で飲むエスプレッソも、同様に旨いはずだ。
筆者自身、初めてヨーロッパで飲んだエスプレッソは、フランスでであった。確かに、フランスでも旨かった。だが、エスプレッソ本来の「クレマ」による甘味は、イタリアには敵わない。
それが何故なのか?いまだにわからないが、確かにイタリアのエスプレッソが一番旨いことは確かだ。
イタリア版アイスコーヒー「カフェ・シェケラート」
イタリアではいつもエスプレッソやカフェ・ラッテ(これもカプチーノやカフェ・オレとどこが違うのか、という)を飲むのだが、暑い夏や、猫舌の人には、エスプレッソはちょっと遠慮したいところだろう。
日本では、夏に飲むコーヒーといえば、アイスコーヒーだ。
コーヒーの苦味と氷の冷たさが、喉に清涼感を与えてくれる、筆者も好きな飲み物である。
夏にイタリアを訪れた際、エスプレッソを飲みたい気温ではなかったので、冷たいエスプレッソでもないものかとバールの親父に聞いたところ、
「カフェ・シェケラートがあるよ」
といって出してくれた。
要は、エスプレッソ・ダブル(ドッピオという)を氷と一緒にシェーカーで振って、冷たいクレマ状態のエスプレッソをグラスに注いでくれるもの。
エスプレッソの甘みは残しながら、清涼感ある喉越しはアイスコーヒーという優れもの。
以来、飲みたい時は、たとえ夏ではなくてもカフェ・シェケラートを頼むことにしている。
たどり着いたのはデロンギの全自動コーヒーメーカー
添乗員としてイタリアへ出かけていたときは、Lavazzaのコーヒーをスーパーマーケットで購入し、スーツケースいっぱいに詰めて持ち帰っていた。
確か、イタリアのスーパーで買えば、ひとつ3ユーロ程度だったと思う。これを、1回の出張で10個くらい買ってくる。日本で買うと、関税やらなんやらついて、今ではひとつ1,000円くらいするから、イタリアで購入すればかなり格安だった。
これほどイタリアのエスプレッソが好きな筆者だが、コロナ禍ではイタリアへ出かけることができず、本場のエスプレッソを飲むことができない。
最近は、日本のカフェでも本格的なエスプレッソを淹れてくれるが、緊急事態宣言中はカフェに行くこともはばかられた。
そこで、思い切って購入したのが、デロンギの全自動コーヒーメーカーだ。これなら、毎日イタリアのエスプレッソを、自宅で飲むことができる。
コーヒー豆にもこだわった。近所では、自家焙煎をしているショップや、カルディのようにコーヒーにこだわった店もある。
そこで色々な産地の豆を試し、豆は必ず深煎りで購入する。
冷たい飲み物が欲しいときは、これでカフェ・シェケラートもできる。
コーヒー好き、それもエスプレッソが一番という人は、デロンギの全自動コーヒーメーカーを一度検討してみて欲しい。
上記が最もスタンダードな、エントリーモデル。決して安価なものではないが、きっと値段以上の価値があるはずだ。
コメント