Manjaroは、MX Linuxとともに相変わらずの人気だ。
前回はXfceを試してみたが、いまいち人気の理由がわからなかった。Arch系ローリングリリースの便利さに、GUIを加えたManjaroは、確かに使いやすく、Linux初心者にも優しいディストリビューションだ。
しかし、それだけでこれほど、人気が続くものだろうか?
今回、最新バージョン21.0がリリースされたので、今度は、最近ハマっているKDE Plasmaにて再度人気の理由を探ってみた。
理由その1 最初から日本語表記
前回もそうだったが、今回最新バージョンの21.0 KDE Plasmaをインストールしてみて感じたことは、
インストーラが最初から日本語表記
だということ。
USBにて起動したLive画面こそ英語だが、インストーラを開くと、なぜか最初から日本語表記だ。
インストールしたロケーションを、自動的に読み取っているのか?
公式サイトのダウンロードページでは、地域ごとのミラーサイトといった、ダウンロード元の指定が何もない。それでも、インストールしたファイルで起動すると、インストーラは日本語で表示される。
これは、Linux初心者に優しい設定だろう。
そして、インストーラ自体も、何も疑問に思うような設定・選択はない。指示通りに進めば、インストールは終了する。
しかし、インストーラが最初から日本語のディストリビューションは、他にもたくさんある。これだけでは、Manjaroの人気の理由にはならない。
理由その2 インストール後の日本語設定が簡単
インストール後は、やはり若干の設定作業を要する。その点では、インストール直後から日本語で利用できる、Ubuntuには敵わない。
しかし、やたら設定が難しいディストリビューションよりは、日本語環境設定は、はるかに簡単だ。
日本語表示の補完
今回はKDE Plasmaなので、設定は「KDEシステム設定」から行う。
左側メニューから「言語パッケージ」を選択し、「利用可能な言語パッケージ」タブで、「パッケージのインストール」を行う。
日本語入力
次に、起動時に開く「Manjaro Hello」から、「Applications」を選択。
次画面で「Manjaro Asian Input Support Fcitx」を選択して、チェックボックスにチェックする。
開いたウィンドウで、「fcitx-mozc:日本語」「kcm-fcitx: KDE configuration module」を選択すると、Mozcがインストールされる。
ここまで済んだら、ログアウト・ログインで、日本語環境の設定は完了だ。
理由その3 端末は不要
Xfce同様、KDEでも端末を使うことはほぼない。小難しいArch系でありながら、ManjaroはGUIが充実しているのだ。
というよりも、Xfceよりグラフィカルで、ユーザーフレンドリーなKDEは、もはや端末は不要なくらいだ。
画面右下のArch版ソフトウェア「Pamac」アイコンをクリックすると、Manjaro独自のリポジトリによるソフトウェアが立ち上がる。トップバーの「アップデート」では、カーネルから各ソフトウェアまで、最新版に更新が可能だ。
この役割のツールは、他のディストリビューションにもあることなので、何もManjaroに限ったことではない。
「Pamac」にはない、サードパーティのソフトウェアも、前回同様「tar.zst」ファイルを右クリックし、「ソフトウェアのインストールで開く」を選択すれば、端末を使用することなくインストールが可能だ。
では、反対に、端末を使わなければならないことは何か?
これは、どのディストリビューションでもそうだが、何か問題にあたった時に、ネットで調べたことを実行する時だろう。どんな問題・トラブルかによって、使いたかも変わる。
しかし、端末を使わずに普段使いできるディストリビューションは、他にもいろいろある。
理由その4 やはりローリングリリース
いろいろ考えると、Manjaroが人気な1番の理由は、やはりArch系のローリングリリースにあると思う。
Arch Linux自体は、例え使いたくても、Linux初心者には難しい。だが、GUIが充実したManjaroなら、気軽にローリングリリースを体験できる。
インストール用イメージファイルは定期的にリリースされるが、これはパッケージ集合の最新スナップショットに過ぎず、各リリースごとにユーザの移動を奨めるものではない(ウィキペディアより)。
そのため、以前にインストールしたものでも、日々のアップデートにより、大掛かりなバージョン・アップグレードが不要なことは、大きな利点だ。
ここまでくれば、Manjaroが初心者にも優しく、日々使い勝手が良いディストリビューションだということを理解できる。
しかし、人気ランキングのトップクラスに居続けるための、決定的理由ではないようにも思える。
理由その5 Xfceの軽量さが決め手か?
最後に、KDE Plasmaを使ってみて分かったことは、改めてXfceが軽量で使いやすいということ。
上述の通り、KDEはXfceと比べても、ユーザーフレンドリーなGUIだ。WindowsやMacに慣れてきたユーザーも、違和感なく使用できる。
だが、やはりKDEは、少し重たい、というか、アニメーション的な動作が、Linuxのヘビーユーザーには敬遠されるのかもしれない。
その点、Xfceであれば、余計なアニメーション動作はないので、サクサク動く。
Manjaroの人気の理由をまとめると…
つまるところ、Manjaroの人気の理由は、
- 最初から日本語で利用可能
- 端末を使う必要がない、ユーザーフレンドリーなGUI
- ローリングリリース
- Xfceの軽量さ
これらがミックスされて、人気を保っているのだろうと、勝手に解釈した。
ちなみに、Fedora好きの筆者は、最近Fedora版KDEをインストールして、気持ちよく使っている。Fedoraはローリングリリースではないが、RedHat系の先進的ディストリビューショとして、いち早くカーネルやソフトウェアが更新され、いつも最新バージョンを利用できる。
それに加えて、GnomeよりユーザーフレンドリーなKDE Plasmaは、やはり使いやすい。
気になる人は、Fedora KDE Plasmaもお試しあれ。
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