長く付き合える一本を選ぼう!おすすめのフラメンコギターの選び方

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フラメンコギター イメージ

ロックやジャズも良いが、フラメンコギターが弾けるとかっこいいだけでなく、弾いていて気持ちがいい。コロナ禍で時間は十分にあるし、何か始めたいと思ったら、挑戦しがいのあるフラメンコギターをお勧めする。

まずは、フラメンコギターを選ぶことから始めよう。

15年間、フラメンコギターとクラシックギターを習った筆者の経験から、長く付き合える一本を選ぶポイントをまとめてみる。

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フラメンコギターとクラシックギターの違い

大まかに言えば、フラメンコギターとクラシックギターは大した違いはない。

どちらもナイロン弦を使用する点では変わりないし、見た目も大差ない。しかし、やはり用途による違いはあるものだ。

最も端的な違いは、ゴルぺ板を貼ってあるか否かだ。

以下画像(筆者愛器のコンデエルマノスEF-4)をよく見てほしい。サウンドホール(中央の丸い穴、音を発するところ)からブリッジ(弦を留めてあるところ)にかけて、透明なプラスチックの板が貼ってあるのがお分かりだろうか?

フラメンコギターのゴルぺ板

これが、フラメンコを演奏するのに欠かせない「ゴルぺ板」だ。

フラメンコの楽曲は、右指の爪で弦をかき鳴らしたり、リズムを加えるために表面板を叩く(このことを「ゴルぺ」という)ことがある。ゴルぺ板は、この奏法によって爪でギター本体に傷を付けないようにするための保護板だ。

次に材質。

フラメンコギターには、「ネグラ(黒)」と「ブランコ(白)」がある。主にサイド(側面)及びバック(裏板)の材質で、こう呼ばれている。

「ネグラ」は、ローズウッドやマホガニーなど濃い色の木材を使用したもので、コンサート・フラメンコとも呼ばれる。音質は、クラシックギターに近く、丸みを帯びたソロの音色に重点を置いていながら、フラメンコ特有のドスの効いた重低音も考慮した、オールラウンド型のフラメンコギターだ。パコ・デ・ルシアが使用していたコンデエルマノスは、この「ネグラ」。

一方、「ブランコ」は、サイド及びバックにシープレス(またはサイプレス)という、表面版に近い明るい色の材質を使用したもの。音の立ち上がりが早く、カラッとした音のため、ラスゲアードと呼ばれるかき鳴らす奏法に適していて、踊り(バイレ)・歌(カンテ)と一体になった、フラメンコの伴奏に適している。もちろん、ソロも演奏可能だ。

フラメンコギター ブランコ

他にも、クラシックギターのボディは厚みがある反面、音の立ち上がりを重視するフラメンコギターはボディが薄いといった違いがある。

ブランコだからといってソロ演奏ができないわけではないので、ネグラ、ブランコどちらを選ぶかは、音を聞いて、個人の好みで選ぶと良い。

初心者が選ぶフラメンコギターの価格帯

「はじめは安物でもいいだろう」は間違いである。「上達は良い道具から」の通り、自分の予算で最大限良いフラメンコギターを選ぼう。

筆者がクラシックギターを習い始めたとき、先生から「まずは10万円くらいの価格帯から選びなさい」と言われたことがある。

それ以下のギターは表面板が合板であるものが多く、良い音を出すために単板のギターを選べば、必然的に10万円くらいからになる、ということだった。

できれば「オールソリッド」、トップ、サイド、バック全て単板のギターなら、長くつき合えるだろう。

しかし、今は10万円以下のギターでも、単板で作られたフラメンコギターは数多くある。ギターショップの店員さんにいろいろ教えてもらうと良い。

国産orスペイン産?

あいにく、日本国内ではフラメンコギター専門のルシアー(制作家)は少ない。そのため、国内産よりは、本場スペイン産の方が選択肢が多い。

ヤマハのような大型楽器専門会社が制作するギターは、主に量産品で合板のものが多いが、最近では「沖仁モデル」のような、本格的フラメンコギターを制作している。それ以外にも、アリア、ヤイリなどのギターで良いものがある。

一方、スペイン産は選ぶのに困るほどだ。

コンデエルマノスから派生したフェリーぺ・コンデやマリアーノ・コンデ、ラミレス、マヌエル・フェルナンデスなどは、比較的高額なものが多く、コルドバなどは、安価ながら安定した音を奏でることができる。

同じ価格帯なら国産よりはスペイン産を選ぶと、本場の雰囲気を味わうことができ、気分も違うと思う。

以下は、リーズナブルな価格ながら本場スペイン産、表面板は単板の、入門編にぴったりのフラメンコギターだ。

カッタウェイモデルはNG

カッタウェイとは、以下楽器のようにボディの右側上部が切り取られたような形のもの。

高音部の速弾きに適したモデルで、ロック、ジャズなど、ジャンルを問わず使われている。


しかし、一からフラメンコギターを始めるなら、カッタウェイモデルは選ばない方が良い。

フラメンコが誕生した時代には、当然のことながらこのようなモデルはなかった。

クラシック同様、フラメンコの楽曲も創成期から愛されているスタンダードがあり、カッタウェイモデルがなかった頃から演奏法が確立されているからだ。

本場スペインのギタリストが弾いているギターと同じモデルで練習を始めるのが、正統法だろう。

店員さんに弾いてもらって音を確かめる

フラメンコギターに限らず、楽器は全てショップで試し弾きが必須だ。しかし、これから始めようとする人が、いきなり試し弾きをすることはできない。

そんな時は、ショップの店員さんに弾いてもらうのが一番だ。

ギターショップの店員さんは、ほとんどの方がギター好きだし、毎日試し弾きをしている。自分の予算と好みを伝えて何本か選んでもらったら、それを店員さんに弾いてもらって音を確かめよう。詳しいことは分からなくても、自分の耳で良い音だと感じたら、直感で選ぶと良い。

最後は自分で選ぶことが大切だ。予算と自分の耳を信じて長く付き合えるフラメンコギターを選ぼう。

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