日頃決算でお世話になっている、クラウド型会計ソフトの「フリーウェイ税務」から、2021年5月でサービスが終了する旨のメールが届いた。今期の決算までは使用できるものの、来年以降は新たな会計ソフトを考えなければならない。
同じシリーズで「フリーウェイ経理」というのがあったので、そちらに乗り換えようとサイトを確認したところ、こちらはダウンロード型ソフトで、なんとWindowsのみの対応だった。
これだけOSSが広まっている中で、今時Windowsのみ対応とは、時代にあっていないのではないか?そう思いつつ、当社のようなSOHO会社にあう、長く使える会計ソフトを探してみた。
会計ソフトはクラウド型かダウンロード型か
クラウド型ソフトは、利用側のプラットフォーム(OS)を選ばず、導入・利用が簡単なことで、最近は利用する企業も多いことだろう。PCの容量を気にする必要もない。
どのソフトでも言えることだが、業務で使うには長く使えることが大切だ。
上述の「フリーウェイ税務」のように、一私企業が提供するクラウド型ソフトは、提供する側の企業の都合により、突如サービスが終了することがあるのが難点だ。
一方、ダウンロード型ソフトは、文字通りソフトを利用者のPCにダウンロードしてインストールするもの。一度インストールすれば、長く使用できる点はクラウド型にはない利点だ。又、クラウド型のようにセキュリティを気にする必要がない。
しかし、上述の「フリーウェイ経理」のように、プラットフォームにより利用が限られることがある。
会計ソフトで重要なことは、帳簿の保存、会計年度ごとのリンク、そして確定申告にすぐ使える帳票類の出力だろう。大規模企業は2020年度から、中小規模企業も数年後には電子申請が始まる。それらに対応したソフト選定が必要だ。
電子申請は先延ばしにしても、早急の課題は「フリーウェイ税務」の代わりとなるソフト選定だ。
クラウド型の「LS会計帳簿」
上述の「フリーウェイ」シリーズの他、よく知られているのは「freee」や「円簿会計」といった無料クラウドソフトの他、有償であれば優秀なソフトが数多くある。
一方、無料ソフトは費用はかからないが、ある程度制限があったり、無料体験版を使用後購入といったものが多い。
当社はSOHO型の小規模企業で、できる限り自分たちでなんでもやるということがモットーなので、ソフトウェア類に費用をかけていることはできない。
上記無料ソフトの中では「円簿会計」が優秀だが、当社のような極小規模の企業にはまだ使いこなせないと感じた。
そこでたどり着いたのが、以下の「LS会計帳簿」だ。
ちょうど当社のような極小規模の企業にあったサイズのクラウド型会計ソフトで、googleアカウントでログインし、データは全てこの会社のクラウドに保存される。
最大の特徴は、とても簡単に利用できること。
サイトを見てもらってわかるように、勘定科目を設定後、仕訳帳に全ての取引を記載していくのだが、複式簿記の基礎がわかっている人なら、簡単に入力が可能だ。
出力は全てPDFにて保存できる。
仕訳帳、総勘定元帳、合計残高試算帳、貸借対照表、損益計算書などの確定申告に必要な帳票類がすぐに出力できる。
データのバックアップは、会計期間内の仕訳をCSVファイルに出力し、PCに保存すればいい。
難点は、会計年度ごとのファイルを作成できるのかどうかわかりにくいこと。初期設定で会計年度を入力するのだが、
- 決算終了後次年度の会計年度はどう入力していけば良いのか?
- 会計年度ごとのデータ保存はCSVファイルしかないのか?
などわからない点が多い。
また、ウェブサイトはhttpsではないため、セキュリティ面が気になる。
これらの難点をクリアすれば、使い勝手はとても良さそうだ。
200件以内の取引記録なら無料で、それ以降は1,000円でずっと使い続けることができる。
ダウンロード型の「Gnucash」
ここからが本題。
当社の環境はMacとLinuxのみで、Windowsは今年初めに完全脱却した。なので、当社環境の両OSに対応する会計ソフトが必要になる。上述の「フリーウェイ経理」はわざわざWindows専用ソフトをダウンロードして使用するので、問題外だ。
そしてたどり着いたのが、「Gnucash」だ。
これはどのLinuxディストリビューションでも「ソフトウェアの追加と更新」からインストールできる。また、OSSのプラットフォームGithubや、Flathubからもインストールできる。2020年6月に最新バージョンにアップデートされたばかりだ。
小規模企業や事業者がよく利用しているようで、ネットから使い方やヒントを得られやすい。
使い方は、勘定科目を設定後、仕訳帳に取引を記載していくだけ。
「LS会計帳簿」同様、仕訳帳入力後は総勘定元帳、合計残高試算帳、貸借対照表、損益計算書をすぐプリントできる他、HTML形式のファイルに保存できる。プリンタのPDF出力機能を利用すれば、PDFファイルでも保存可能だ。
会計年度ごとにファイルを作成すれば、「LS会計帳簿」のような難点は解消する。
一方、このソフトの難点は、元が海外製のソフトウェアのため、いまいち完全に翻訳できていないところだろう。
ソフトの利用は基本的に日本語で問題ないのだが、通貨表示がいちいち「JPY¥」と出る。また、出力した帳票類がそのまま電子申告に利用できるかどうかは疑問が残る。
今後の課題
今のところ、上記2点のどちらを利用していけば良いか、決めかねている。
クラウド型会計ソフトの難点としてあげた、突如サービスが終了することを考えると、ダウンロード型の方が良いかもしれない。しかし、今後始まるであろう電子申告にどれだけ対応できるのか?
また、クラウド型の「円簿会計」の内容を見る限り、まだ使用していないがかなり優秀なソフトウェアのようだ。
「フリーウェイ税務」は法人税確定申告の別表から内訳書、法人事業概況説明書まで、そのまま提出可能な出力が可能な、かなり優秀なソフトウェアだった。今のところ調べたソフトの中で、決算書類は作成できてもここまで対応するものはない。
別途、レンタルサーバーを用意して利用するサーバーインストール型として以下もあるようだが、ここまでするべきものかどうか?
いずれにせよ、次期会計年度までに決めなければならない。その時点で改めて、このブログにて報告しよう。
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