外出自粛で家にいなければならない。
それなら家にいることを楽しもうと思い、普段なかなかできないギターの手入れと、古くなった弦を張り替えることにした。
今回はフラメンコ、コンデエルマノス EF-4だ。
各画像はクリックで拡大表示できる。
オレンジオイルでフレットをきれいに
今回手入れするのは、パコ・デ・ルシアも愛用するコンデ・エルマノスというフラメンコギター。
彼の愛用はAF-25Rという、とても高級かつ高額なフラメンコ・ネグラ(黒)だが、筆者愛用のEF-4はコンデのエントリーモデルで、スペイン・シープレスをサイド、バックに使用したブランコ(白)だ。
伴奏・ソロどちらにも適していて、コンデらしい重低音が特徴のフラメンコギターらしいギターだ。
2002年モデルだが、購入以来フレットはずっと乾拭きのみだったので、前回のウクレレ同様オレンジオイルを使用して、フレットをきれいにした。
弦を外す前は以下の状態。巻き弦がかなり劣化している。
掃除前の1フレット目あたり。弦と指で押さえた跡が残っている。
牛骨のナットは、弦を貼った状態でない時はこの様にスルッとスライドして外すことができる。
1フレット目あたりを横から見たところ。ブリッジ(下)と合わせて、購入以来お世話になっているアウラさんに、ビビらない程度に弦高を下げてもらった。
下がオレンジオイルできれいにした後のフレット。
フラメンコギターの弦について
弦の購入も、アウラさんのネットショップを利用している。
ここは、クラシックからフラメンコまで様々なギターを取り扱っている他、弦をはじめとしたアクセサリー類も種類が豊富なので、よく利用させてもらっている。
愛用のコンデを買いに訪れたときには、このコンデとホセ・ラミレスのフラメンコを試奏させてもらい、低音の響きが圧倒的なコンデの方を購入したとき以来だ。
今回はフラメンコ用にパコ・デ・ルシアも愛用のルシェールの赤(ミディアム・テンション)のセット(1〜6弦)、クラシックギター用にハナバッハのハイ・テンションのセットを購入した。ネットショップだと定価の30%オフくらいで購入できる。
実はクラシックもフラメンコも弦に違いはない。
クラシック用として販売している弦をフラメンコに張っても良いし、フラメンコでよく使われる弦をクラシックに張っても、何ら問題ない。
しかし、よりギターが持つサウンドを再現できる様に様々な改良がされている様で、やはりフラメンコはフラメンコ用の弦の方が、ギターの鳴りに応えてくれる。
ちなみに、コンデ・エルマノスのフラメンコ弦も取り扱っていて、以前使用したことがあるが、今回は使い慣れているルシェールにした。
弦の張り替えと仕上げ
クラシックにせよフラメンコにせよ、初心者にとって弦の張り替えは一苦労だ。せっかく古い弦を外して手入れしたので、ここで弦の張り方を書いておく。
低音部の巻き弦は、芯が入っていない端とそうでない端がある。芯が入っていない方をヘッドの糸巻きに、入っている方をブリッジ側に固定する。弦長が長いギターにも短いギターにも張ることができる様に長めになっているので、張り終えた後糸巻き側で切ることができる様にするためだ。ナイロン弦は両端に違いはないので、どちらでも良い。
まずはブリッジ側から。ブリッジの糸を通す穴にした画像の様に弦を通す。
ボディ下部側(右)に通した弦の端をナット側(左)に持っていき、そこで弦の長い部分に引っ掛けてねじりながら、ボディ下部側へ持っていく。
その後、長い部分を引っ張ってブリッジに固定する。
6本の弦を貼り終えたブリッジ。ボディ下部側で余った弦の端は、あとでニッパ等でギターを傷つけない様に切っておく。
次は糸巻き側だ。
芯の入っていない弦の端を、糸巻きの穴に弦を通して下画像の様にねじる。
その後、捻った状態のまま糸巻きを巻いていく。上は6弦の糸巻きを巻いている状態、下はナイロンの2弦を巻いている状態。
6本の弦を貼り終えたヘッド部分。こちらも余った弦の端は切っておいた方がいい。
愛用のEF-4のボディはポリウレタン塗装で、高級ギターに使用されるセラックニス塗装ではない。だから気にすることなく、先ほどのオレンジオイルで全体を拭き、その後乾拭きすれば手入れは終了。
それでも手入れ前よりフレットはきれいになり、ボディもくすみが取れた様な気がする。オレンジオイルの香りとサウンドホールから漂うスペイン・シープレスの香りが、たまらない。
しばらくは家にいることを強いられる毎日となるので、また少しずつ弾いていこう。
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