クラシックギターを始めた時、たまたまフラメンコギターも一緒に教えてくれる教室に入り、そこでフラメンコの世界にはまった。
フラメンコギターは、伴奏としてのフラメンコと、サビーカスやパコ・デ・ルシアに代表されるコンサート・フラメンコの2種類があるが、どちらもフラメンコ独特の情熱的な演奏は変わらない。
中でも「弾けたらかっこいいな」という曲を、独自の目線で3曲選曲してみた。
Moliendo Cafe(コーヒー・ルンバ)
「コーヒー・ルンバ」といえば、思い出す人も多いだろう。パコ・デ・ルシアとリカルド・モドレーゴによる二重奏で、フラメンコギターの魅力を最大限に引き出す名曲中の名曲だ。
ギター教室に入って初めての発表会を見たときに、ベテランの生徒さんがこの曲をソロ用にアレンジして演奏したのを聴いた。
その時の衝撃は今でも忘れられない。
教えてくれる先生には申し訳ないが、フラメンコにのめり込んだのはこの人の演奏がきっかけだった。その後レッスンで何度も練習したのだが、未だに完璧に弾くことができない。
原曲を知っていても、パコ・デ・ルシア・バージョンのコーヒー・ルンバは、とにかくかっこいいの一言に尽きる。
La Lola, Rumba Flamenca
続いてもルンバ、パコ・ペーニャの代表曲だ。この曲はアップテンポで、弾けるとメチャメチャかっこいいし、弾いていても実に気持ちがいい曲だ。
トレモロ(フラメンコのトレモロは5連符)やフラメンコの基本、ラスゲアードが入っていないので、これらの奏法が不得手な人でも比較的楽に弾くことができる。
今でも時々、一人悦に浸るため、我が愛器Conde Hermanos EF-4で弾くことがある。
El Albaicin(Farruca)
前述のアップテンポなルンバとは変わって、コンサート・フラメンコの真髄、「聴かせる」フラメンコの曲、ファルッカ(ファルーカ)だ。こんな曲をじっくりと聴かせられたら、やはりかっこいいのでは・・・
大半が南部アンダルシア発祥が多いのに対して、ファルッカはスペイン北部、ガリシア地方発祥のフラメンコ。イ長調が多く、物悲しい旋律と主に男性のバイオーラによる踊りがメインだ。
この曲は、グラナダのヒターノ達の居住地、アルバイシン地区がタイトルになっていて、独特の旋律は一度聴いたら忘れられなくなるだろう。
番外:瀬田彰氏のアルバムはバイブル
今でも現役で演奏・指導をされている瀬田彰氏の「情熱のフラメンコ」と「野いちご」は、フラメンコギターを弾く人にとってバイブル的なアルバムだ。
筆者自身、ギター教室にてフラメンコを習い始めた時、先生からこのアルバムをお借りしてダビングし、今でもiPhoneに保存されている。
フラメンコギターを弾かない人も、フラメンコという音楽に興味がある人は一度聞いてみることをお勧めする。2つのアルバムで、フラメンコがどういうものか理解できるだろう。
弾いても聴いてもメチャメチャかっこいい、それがフラメンコギターだ。
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