松前城下マグロ祭りにつられて出かけた道南の旅②

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道南いさりび鉄道

東京から北海道の最南端、松前町へは意外と遠い。北海道といえば航空機で1.5時間程度で函館や千歳に到着するから、案外近いと勘違いしがちだ。

しかし今回は東京駅から木古内まで新幹線で4時間、そこから路線バスで1.5時間かかって松前にたどり着いた。ヘタをしたら、近隣の東南アジアよりも遠い。

日頃海外旅行ばかり取り扱っているので、こんなのんびりとした、それでいて移動時間さえも楽しめる旅行に、「旅」を感じることが出来る。

ここで三度、今回の旅の目的を整理しよう。温泉旅館矢野で「のりだんだん」を食し、翌日は松前マグロ祭りでマグロをたらふく食べることだ。1日目に第一の目的は達成した。2日目はもう一つの目的、「マグロ祭り」だ。

1日目の様子は↓↓↓から

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松前城下マグロ祭り

温泉旅館矢野で再びうまい朝食を頂いた後、マグロ祭りが始まる前に道の駅へ。

前日のうちに見つけておいた「のりだんだん」に使用されている寒海苔(5枚セット)を購入しておく。

要冷凍のため、宅急便で自宅へ送っておいた。これで帰ってからも「のりだんだん」を楽しむことが出来そうだ。

松前城下マグロ祭り

すでに中心街は歩行者天国になっており、そこで食べることが出来るように溢れんばかりのテーブルとイスが用意されていた。

しばらくして町の中心の沖口広場にて、松前城下マグロ祭り開会式が行われる。開会宣言の後は豪勢に花火まで打ち上げられた。

しかし、ついさっき旅館で朝食を食べたばかりなので、何も食べる気にはならない。そこで、こちらならではの日本酒でも購入しようかと、この町でたった1軒の酒屋さんに入ってみた。

松前町の酒屋

すぐに店主が愛想よく挨拶してくれ、聞いてもいないのにいくつか日本酒を紹介しながら、松前の歴史について教えてくれた。

その昔、開会式が行われた沖口広場は関所のような役割をしており、本州から船で到着した際ここで入国審査のようなことをしていたそうだ。そして審査の後、この店の前まで船をつけて上陸したのだという。店の前の敷石はその当時からのものだそうだ。

肝心の日本酒はというと、松前の周囲200㎞内に酒蔵はなく、ここで販売している日本酒は、松前出身の人が福井県で造っている日本酒だそうだ。

ちょっと残念ではあるが、せっかく遠出してきたのだから土産として小さな小瓶をいくつか購入した。

祭りで出会った「よこはま荘」の女将

酒屋さんを出たのち、少しは祭りの雰囲気を味わおうと出店を覗いてみる。

マグロ祭りといっても、出店の大半はどこの祭りでも見られる焼き鳥や焼きそば、それに生ビールといったものだ。その間に、マグロ寿司やマグロ海鮮丼など町独自の出店や各催し会場が中心街の両端に並ぶ。

午前中の目玉は、マグロの解体ショーらしい。

沖口広場に戻ってそれを見ようとするが、とても混み合ってなかなか近くで見ることが出来ない。さらに、それを試食できるのかと思っていったのだが、そうではなかった。

思ったよりマグロを堪能することが出来ない…

松前城下マグロ祭り2

松前城下マグロ祭り3

北海道のビールと何かを頂いて一休みしようと歩行者天国の道に戻り、各出店を見比べてみたが肝心の北海道ビールを提供する店がなかなか見当たらない。

しばらくすると北海道ビール(といえばあの…)ののぼりがある出店の前に立った。ここに決めて一休みしよう。

すると、店の前に着物にかつらといったいでたちの女性が現れて、そこの客に丁寧にあいさつしていた。まるで、祭りを盛り上げるちんどん屋かと思ったくらい、ちょっと目立ったいでたちだ。

ところが実は、松前にある割烹旅館「よこはま荘」の女将だという。そして、わざわざ我々のテーブルにも挨拶に来てくれた。

女将の話では、若い時に東京の伊勢丹に勤めていたことがあり、その時住んでいたのが横浜だという。また、筆者のすんでいる町にも一時いたことがあるそうで、いっそう話が弾んだ。

松前はマグロや松前漬だけではなく、実は松前城の桜が名物なのだという。講演としての桜の品種は日本一だそうで、それを旅館のホームページでも謳っている。

今回の旅行は目的があって違う旅館に宿泊したが、次回再訪する機会があったら是非泊まってみたい旅館のようだ。

やっとお腹もすいてきたので、マグロを食べようと再び探してみたが、どこも昼時で行列になっている。

ところが、ある出店ではマグロ丼を販売していながら行列が出来ていない。ここで購入しようと言ってみると、マグロ丼は近くの居酒屋で食べることが出来ると書いてあった。その居酒屋が出している出店だったのだ。

居酒屋でならゆっくり座って食べることが出来るだろうと、その居酒屋へ。そして頂いたマグロが以下。呑兵衛なのでビールは欠かせない。

マグロ丼

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道南いさりび鉄道で函館へ、そして辺見旅館

忘れていたが、今回の旅は台風から逃げるように北海道にやってきた。その台風がどうやら翌日には来そうだ。函館での予定もあることなので、松前を早めに出て函館に向かうことにした。

行き同様路線バスで木古内まで1.5時間、そのあとは連絡する道南いさりび鉄道(冒頭画像)で函館まで約1時間だ。前日は1時間ほど時間を潰すことになったが、この日は30分ほどの乗り継ぎ時間で済む。

国内の旅行は、いつでもその土地の鉄道に一度は乗ってみることにしている。

今回はこの鉄道だ。以前は松前まで伸びていたようだが、現在は函館~木古内間のみの運行となっている。ディーゼル車のわずか1両での運行だ。

車内で呑み鉄を決め込もうと道の駅であれこれ買い込んで、ぎりぎりに乗り込んだ。同じ目的の人もいくらかいるようで、地元の足の鉄道のはずなのに、観光列車となっている。

1時間の鉄道の旅は終了し、函館駅に到着。以前来た時より、とても近代的な駅舎になっていた。

駅を出て建ち並んでいるビル群を見ると、東京と何ら変わらない。その中を予約した「辺見旅館」へと向かう。中心のにぎやかな通りから裏道に入り、少し寂しい路地を進むと、旅館の明かりが見えてきた。

この旅館、実はNHKの「ブラタモリ」やTBSの「ぴったんこかんかん」のロケが訪れたこともある、イカ料理が名物の旅館だ。函館の夜はどこかの店で、と思って予約は朝食のみにしておいたことが少し残念だ。

女将さんはとても気さくな方で、台風の影響でキャンセルが出たから予約時に案内した部屋よりも広めの部屋を用意したと言ってくれた。6帖2間続きの広い部屋で、2人では広すぎるくらいだった。

旅館の食事が心残りだが、気持ちを切り替えて夜の函館へ。

近隣で函館の食事が楽しめるところをネットで調べて、「根ぼっけ」という店へ。名前の通り、根ぼっけがメインの居酒屋だ。

前日の夜、旅館で食べたほっけのチャンチャン焼きを思い出し、イクラやウニに頼らない北海道料理が食べたくなった。

最近は輸送システムが発達し、今まで食べることが出来なかったものが東京で食べることが出来るようになったが、さすがに根ぼっけの刺身は東京で食べることが出来ない。

根ぼっけの刺身

今日一の根ぼっけのにぎりで満足し、地元民が愛するセイコーマートでつまみ類を買い込んで旅館に戻り、2日目が終わった。

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