よく「男の浪漫」という言葉を聞くことがあるが、そもそも「浪漫」ってなんだろう?
辞書には
「感情的、理想的に物事をとらえること。夢や冒険などへの強い憧れをもつこと。」
とある。
前半は、いわゆる”ロマンティック”と同意義だと思うが、後半はそれとはちょっと違い。つまり、「男の浪漫」は後半の意味があると思う。
そして、その意味において言えば、旅行はそもそも男性だけに限らず、全ての人において浪漫を追求する行動だろう。
あなたの「浪漫」はなんだろう?
あらためてよく考えて「浪漫」を追い求める旅をすると、旅の楽しさが倍増するかもしれない。
いや、「楽しさ」という軽々しい気持ちではないくらい、心に強烈に残る旅になるだろう。
今回は「浪漫」を追い求める旅を、検証してみたいと思う。
浪漫の対象はなに?
筆者は旅行会社を運営しているので、様々なお客様から、旅行についての思いを聞くことが出来る。単純に
~美しいビーチでのんびりし、オーシャンビューのリゾートホテルでヴァカンスを満喫したい~
といったことから、
~世界遺産をあれこれめぐってみたい~
といったことまで、じつに多種多様だ。
さらに浪漫を追求する旅となると、こんなことが挙げられる。
- 狭い日本にとどまらず、世界中の鉄道で旅情を感じたい
- 世界一の高速道路アウトバーンや、アメリカのルート66をドライブしたい
- ゴルフの「聖地」セント・アンドリュースのオールドコースでプレーしたい
- (その他いろいろな意味で)子供のころからの憧れの地を訪れたい
といったことなどなど。
「夢や冒険への強い憧れ=浪漫」であれば、車好きの人ならドイツのアウトバーンやアメリカのルート66で走ることは、まさにそこでのドライブこそが「浪漫」だろう。
また、ゴルフ好きなら、セント・アンドリュースのオールドコースはまさに憧れの地、そして聖地だ。そこでプレーすること自体なかなか叶わないからこそ、「浪漫」なのだと思う。これらは特に「男の~」といわれる、最近よく聞く言葉の究極だ。
一方、女性の場合は少し事情が違うかもしれない。
筆者は男なので、それを推察することは難しいが、それでも憧れのホテルに宿泊することや、ハネムーンなどで好きな人と行動を共にすること、また趣味を持っている女性であれば、男性同様その趣味の聖地といわれるところを訪れることなどが挙げられる。
ただ、女性の場合あまり「浪漫の旅」とは言わず、「ロマンティックな旅」のほうがしっくりくるかもしれない。
そして、浪漫を追い求める旅は、同時に「大人」でないと出来ない旅なのではないかと思っている。
この場合、単に「成人している」という意味ではなく、大人の嗜みから喜びを得ることが出来る「大人」という意味だ。
冒険をするときは、必ず危険が伴う。無謀な若者が、思いのまま突き進むことや、欲しいものを大量に買い求める、いわゆる「大人買い」は浪漫ではない、単なる暴挙だ。
大人は必ず、危険を回避するすべを知っていて、その上で夢や冒険を追い求めたり、自分の欲のままに行動したら困る人がいることを、常にわかっているから無理はしない。不格好ではなくスマートで、自分の憧れについての知識は、豊富に持ち合わせている。
このような行動が出来る「大人」が、晴れて子供のころからの夢や憧れを実現すべく行動する、これが大人の「浪漫」なのではないだろうか?
Buyなのか?Doなのか?
次に、「浪漫」は「物欲」なのか「行動欲」なのかについて。
まずは「物欲」から来る「浪漫の旅」だ。
例えば、筆者自身はギターが趣味で、なかでもフラメンコギターに興味がある。すると、世界中にはどんなギターがあって、どれがギターマニア垂涎のギターなのかを調べる。それがわかると欲しくなるものだ。
「そのギターを制作している工房を一度訪ねてみたい、そして、ルシアーの話を聞き、そこでギターを購入したい」という欲求は、「浪漫の旅」につながる。
また、近年異常なほど人気なのが、ウィスキーの世界。ウィスキーといえば、スコットランドだ。
中でも、アイラ島は独特のピートを使用した、スモーキーなウィスキーを蒸留していることで知られており、スコッチ・ウィスキーの聖地とも称される。
ウィスキーに魅了された人ならば、その蒸留所を訪れ、そこで年代物のウィスキーを手に入れたいと誰もが思うだろう。
一方、上述の「ゴルフの聖地セント・アンドリュースのオールド・コースで一度プレーしたい」という欲求は、「行動欲」からくるものだ。
そこに行かなければプレーすることが出来ない、でも、一生に一度でいいからプレーしてみたいという気持ちは、上記2例同様「浪漫の旅」そのものだろう。
考えてみると、よく男性はいつまでも子供のままと言われるように、収集癖や自分が凝ったことを実行したがるという、いい意味で「少年の心」を持ち続けているから、「浪漫」なのかもしれない。
「大人」でないと出来ない旅といっておきながら、同時に「少年の心」を持ち続けた人がする「浪漫の旅」は、実に逆説的だ。
きっと「浪漫の旅」という言葉自体、世の女性方からあきれられているかもしれない。
浪漫はイギリスにあり
筆者は旅行会社を運営していて、上記のようなことを、旅行の要素として取り上げ紹介している。
そして、筆者の個人的な感想だが、男性たちの心をくすぐる「浪漫」は、イギリスに多いのではないかと思っている。
理由はこうだ。
イギリスには、いろんな意味で発祥の地が多い。例として
- ゴルフ:セント・アンドリュース
- テニス:ウィンブルドン
- ウィスキー:アイラ島(これは発祥の地ではないが、聖地だ)
- 鉄道:オリエント急行
などなど。
これ以外にもいろいろがるが、どれもイギリスの本家サイトを見ると、必ずといっていいほど「Home of~」と書かれている。
もちろん、イギリス以外にも聖地はたくさんある。だが、浪漫を追求する旅に似合う聖地は、イギリスが多いのではないだろうか?
蛇足だが、こんな浪漫を追求する旅をしてみたいという人は、筆者が運営する旅行会社のサイトを、一度ご覧頂きたい。
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