LibreOfficeとOpenOffice、どっちを選ぶ?|ざっくりLinux!- 5

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LibreOffice

Linuxでは定番のLibreOffice

仕事でPCを利用する際最も使うのが、オフィス系アプリケーションだろう。

Windowsしか御存じない方は、間違いなく文章作成にはWord、表計算にはExcel、プレゼンテーションにはPower Pointを利用していると確信する。だが、近年オフィス系アプリケーションは様々な種類があり、それぞれ互換性があることをご存じだろうか?

今回はLinuxを導入する際最も考えるべきオフィス系アプリ、LibreOfficeとOpenOfficeについて、ざっくり書いてみよう。

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いつまでMicrosoftに支払い続けるのか?

そもそもLinux利用を考え始めた発端に戻ろう。

筆者は経営者でもあるので、会社の経費には敏感だ。仕事の大半がPCを使う昨今、それにかかる経費はけっしてバカには出来ない。少しでもコストを抑えることが出来るなら、進んで見直したいと常に思っている。

自社のほとんどのPCはリース契約なので、毎月一定のリース料を支払うだけだが、PCにインストールされているOS(オペレーションシステム)は必ずしもそうはいかない。

リースを組む際、OSも込みで設定してもらうのが通常だから、特に費用はかからないじゃないかと思われがちだが、リース期間の途中に今回のようなOSのサポート終了が訪れたら、どうしたものだろうかと考える。

新規リース契約時(個人ならPC購入時)にOSは購入費用に含まれているが、その後サポート終了によるアップグレードにかかる費用はリース契約外だ。

Microsoftも企業だから利益を追求するのは当然で、OSをアップグレードするたびに新しいOSを販売してきた。筆写の知る限りではWindows3.1から始まり、その次が95(一大ブームとなった)、その後は98、ミレニアム、2000、XPときて、Windows7に落ち着いた。しかしその後もアップグレードし続け、Windows8及び8.1、そして現在の10になっている(途中抜けたかな?)。

独立した時はXPだったが、これまでに1回、Windows7へのアップグレードがあった。現在まで使用できているので、8やら10にはアップグレードしていない。そしてリース契約のPC以外に複数のPCを購入してきた。それだけOSに費用を費やしている。

現在、ほとんどの企業がWindowsとセットでMicrosoft Officeを導入するだろう。

プリ・インストールされているPCを購入しない限り、導入と同時にオフィス系アプリを別途購入しているはずだ。そして、オフィス系アプリケーション(ソフトともいうが、ここではアプリケーションとする)のシェアで断然トップのこのMicrosoft Officeも、OS同様アップグレードするたびに費用が発生している。

今やPCはオフィスにも家庭にもある、スマートフォンに次ぐインフラのひとつだ。

それなら、ハードは購入なりリースを組むなりするにしても、OSとアプリケーションはオープンソース(利用者の目的を問わずソースコードを使用、調査、再利用、修正、拡張、再配布が可能なソフトウェアの総称)であるべきだと考える。

そのオープンソースのOSがLinuxの各ディストリビューション、そしてオフィス系アプリがLibreOfficeやOpenOfficeだ。

もはや全世界で膨大な利益を生んでいるMicrosoftに、OSやアプリケーションのアップグレード費用を払う必要性は感じない。

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Linuxで使用すべきオフィス系アプリを選択

ここで本題の、Linuxで使用すべきオフィス系アプリケーションはどれがベストかということを考えてみたい。

世界的にもよく知られているのが、オープンソースのLibreOfficeApache OpenOfficeだろう。

文章作成・表計算・プレゼンテーションだけなら、使い勝手が良いと評判のGoogleだが、残念ながらDraw(描画)とデータベースが入っていないので、ここでは除外する。余談だが、筆者はデータベースをセットで考えたかったので、上記2つに絞って検討した。

その他、日本の老舗「一太郎」やソースネクスト、キングソフトなど日本の会社も発売しているが、いずれもMicrosoft同様オープンソフトではない。

LibreOfficeとApache OpenOfficeは、もともとオラクル社が開発したOpenOfficeから派生した同じアプリケーション。

途中、買収やら独立やら紆余曲折があって分かれたのだが、元は同じものだった(その辺はウィキペディアでいろいろ書いてあるので、興味がある方は読んでみたらよい)。

それまでオフィス系アプリで独占状態だったMicrosoft Officeが有料であったことに反して、どちらもオープンソースとして成長してきた。

オフィス系アプリでは、世界的に圧倒的なシェアを誇るMicrosoft Officeといかに互換性があるかが、全てのユーザーにとって興味の対象であったことは間違いない。

なぜなら、Microsoft Officeで作成したファイルが全く違和感なくオープンソースのアプリケーションで作業できるなら、それに越したことはないからだ。

現在発表・発売されている各アプリは、ほぼこの互換性を達成している。

ファイル同士はどのアプリでも開くことが出来、編集が可能だ。多少使い勝手や見た目など違うところはあるが、それはユーザー個々の感覚によるものにすぎない、と筆者は感じている。

「そりゃ、全く同じようには使えないよ」というのが正直なところかもしれない。しかし、各アプリともそれを上回る独自の特徴を持っており、ここまでくると何もMicrosoft Officeそっくりにしなくても良いのではないのではないだろうか?

本題からそれてしまったが、結論から言うと現在筆者のLinuxマシーンには、LibreOffice(バージョンは6.2)がインストールされている。理由は、

  • Linux MintにはデフォルトでLibreOfficeがインストールされている(バージョン5.0)
  • Base(データベース)で、バージョン6.2からWindowsとファイルが共有できるようになった(後述)
  • Apache OpenOfficeよりバージョン更新が頻繁に行われサポートが充実している
  • 使ってみるとApache OpenOfficeより使いやすい(かも)

といったところからだ。これについて、以下でもう少し掘り下げる。

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なぜLibreOfficeなのか?

Linuxを始めた時、デフォルトでLibreOfficeがインストールされているので、他を考えることもなくこのオフィス系アプリを使用し始めた。

Windows7のサポート終了により、それまでデータベースとして使用してきたFile Makerのデータをオフィス系アプリのデータベースに移行しようということになり、そこで一度LibreOfficeでつまづいたのだった。

もともとはApple製だったFile Makerは直感的なデータベースで、データベースの言語MySQLなど知らなくても使い始めることが出来る。iPhone同様、Apple社の製品はどれも、手にしたときからすぐ使えるのが大きな特徴だ。

Microsoft OfficeにもデータベースのためのAxessがあり、Officeの上位版にのみ含まれている。一方、LibreOfficeをはじめとするオープンソースには、最初からこのデータベースアプリが入っている。これは、File Makerの代替アプリを模索していた筆者にとって、必要不可欠なことだった。

ところが、LinuxにデフォルトでインストールされるLibreOffice5.0のBaseでは、Windowsで作成したデータベースファイルを編集することが出来なかった。原因は、どうもJavaらしい。

新しくオラクルのサイトからJavaをインストールし直してみたがどうにもならなかったため、OpenOfficeならどうかためしてみた。こちらでも結果は同じだった。

自分の知識不足もあって、少し放っておいたのだが、LinuxデフォルトのLibreOfficeを最新のバージョンにアップデートする方法を書いている人のサイトを見つけ、その通りやってみた(前回の記事を参照)。

現状32ビットのLinuxへインストールできるバージョンは6.2.8だ。このバージョンから、データベースはMySQLからFirebirdという方式に変わっているらしい。そもそもどちらもわからないが、これが解決の鍵となった。

LibreOffice BaseでのWindowsとの互換性が確認出来たところで、OpenOfficeをアンインストールし、LibreOffice1本に絞ることが出来た。

今後、Macとの互換性も確認しなくてはならないが、ひとまず落ち着いたところだ。

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