32-bit版Linuxの需要はまだまだあるようで、Debianをはじめ様々な開発元からリリースされている。
今回は、Debian系のBunsenLabs Linux 「Lithium」を、古いThinkpad X41にインストール・テストしてみた。
その結果は、軽量で普段使いができそうなディストリビューションだった。
BunsenLabs Linuxとは
BunsenLabs Linuxは、CrunchBang Linuxのコミュニティから派生したディストリビューション。
ともにDebianベースで軽量なディストリビューションだが、CrunchBang Linuxはすでに開発を終了していて、開発中なのはBunsenLabs Linuxのみ。
BunsenLabs Linuxの最大の特徴は、Openbox。
冒頭画像のように、右クリックで画面上のどこにでもメニューを開くことができ、意外に便利だ。
また、推奨RAMが1GHzなので、古いPCでもサクサク動く。
isoファイルは700MB以下、CDに焼いて起動することができる。
何より、Debianベースなので、使い勝手はよく知っている。
筆者がテストした軽量Linuxで、今のところトップはQ4OSだが、それを上回る使いやすさかどうかをテストしてみた。
BunsenLabs Linux 「Lithium」をインストール
インストールファイル(iso)は、BunsenLabs Linux公式サイトよりダウンロードする。
ダウンロードしたファイルは、Balena EtcherでUSBへ保存。
USB起動後の画面で、「Text based install」を選択。
あいにく、GUIのインストーラではなかったので、スクリーンショットを撮ることはできなかった。しかし、最初に日本語を選択すれば、あとは指示の通りでインストールは完了する。
インストール完了・再起動後、すぐに端末を開いて更新を行う。
$ sudo apt update $ sudo apt upgrade
気になるのは、インストール時に日本語を選択したのに、文字化けをしていることだ。おそらく、フォントが足りないのだろう。
システム更新後、端末で以下の通り打ってフォントの追加を行う。
$ sudo apt install fonts-ipafont-gothic
これで、日本語表記になったのだが、メニューの1階層目は英語表記のままだ。
インストール後の設定
日本語フォントが足りないくらいだから、当然日本語入力もできないだろうと思い、すぐに端末でMozcをインストールする。
$ sudo apt install fcitx-mozc
メニューをよくみてみたら、Synapticパッケージマネージャがプリ・インストールされていた。これなら、わざわざ端末であれこれインストールする必要はない。
プリ・インストールされている独自のソフトウェア
プリ・インストールされているソフトウェアは、最低限のものしかない。メールソフトもなく、必要なものはSynapticパッケージマネージャでインストールを行う。
ブラウザは「Dillo」という、みたこともないブラウザがインストールされている。軽量ブラウザらしいが、日本語フォントやjavascriptなどが入っていないらしく、まるで使い物にならない。
頼りになるのは、やはりSynapticパッケージマネージャ。すぐに、FireFoxをインストールした。
壁紙の設定用ソフトウェアのNitrogen。それ以外の用途はない、シンプルなソフトウェアだ。
やはり、デフォルトのままではつまらないので、冒頭画像のように変更した。
軽量感について
FireFoxをインストールした後のブラウジングを試したところ、動きが遅い、止まるといった症状はなかった。むしろ、このスペックでよくブラウジングできると感じる。
起動も、さほど時間がかからない。また、複数タスクを開いていても、違和感なく使用できる。
画面右上にConkyが表示されているので、常にシステム状態を確認できる点も、軽量ディストリビューションにとって嬉しい。
まとめ
BunsenLabs Linuxは、シンプルではあるが確かに軽量で使いやすいディストリビューション。
画面上のどこでもメニューが開けるOpenboxは使いやすく、古いPCでも十分使うことができる。
しかしながら、最近のソフトウェアは64-bitのみの対応というものが増えてきたので、そろそろ32-bit版も潮時なのかもしれない。
【ざっくりLinux!のおすすめ本】
コメント
BunsenLabs Linux Lithium 32bit版をUSB起動でインストールできるんですか?
テキストベースのインストーラではCD-ROMを探すため先に進めませんでした。
コメント有難うございます。
ちょっと前のことなのでうろ覚えですが、確かUSBからインストールしたと思います。
パソコンによって違いますが、起動時にF12キーなどでSet Up Utilityを開き、起動デバイスにUSBを選択すればできるのではないでしょうか?
記憶が曖昧ですみません。