テニスのグランドスラム最高峰、ウィンブルドン(The Championships, Wimbledon)が月曜日から始まった。
今年のウィンブルドンは、前年度チャンピオンのフェデラーが、ユニクロと契約して初日のセンターコートに立ったことで世界中に衝撃をもたらしたことや、イギリスのエース、A.マレーが棄権するなど、オープニングから話題が満載だ。
若い頃は遊び程度にしかしたことがなかったテニスだが、旅行の世界に入り、あるきっかけから海外テニス観戦を旅行商品として取り扱うようになって、もう25年になる。
そのきっかけがウィンブルドンだった。
そのことは「SOHOで旅行代理店を起業 6 – 売り上げを支えるもの」でも少しだけ書いた。
今までは、仕事としてしか見てこなかったウィンブルドンだが、テニストーナメントの最高峰でありながら、テニスを愛する人なら、だれでも楽しむことが出来る世界最大のテニスの祭典でもある。
まだ行ったことや見たことがない人のために、自分が知っているウィンブルドンを、少しだけ紹介してみよう。
The Championshipsなわけ
テニスの4大大会は、
- 全豪オープン(Australian Open Tennis)
- 全仏オープン(French Open Tennis)
- ウィンブルドン
- 全米オープン(US Open Tennis)
だ。いずれも、オープントーナメントのチャンピオンシップである。
自社ウェブサイトで観戦チケットを取り扱っている関係上、大会正式名称の記述については、契約会社からこと細かに指示されているため、よく理解している。
他の大会が「~Open Championships」と表記するのに対し、ウィンブルドンは「全英オープン」とは言われない。正式名称は「The Championships, Wimbledon」で、“全英”とはつかない。
これは、ウィンブルドンが「Home Of Tennis(テニスの聖地)」だから、あえて開催場所(国)を言う必要はないということであり、「他の大会とは格が違うよ」と言っているようなものである。
そして、世界中のテニスプレーヤーが、ウィンブルドンのセンターコートでプレーすることに憧れ、目指す、まさに「テニスの聖地」なのだ。
ちなみに、全仏オープンは「ローラン・ギャロス(Roland-Garros)」とも呼ばれるが、これは単なる別称に過ぎない。
FFT(フランステニス連盟)はそんなつもりはなく、ウィンブルドン同様、歴史も格もあるのだから別称のほうを推したいのだろうが、ウィンブルドンの名前の由来とはまったく別物である。
ウィンブルドンのチケットを入手
ウィンブルドンの観戦チケットを入手することが非常に困難だということは、ちょっとテニスに詳しい人なら知っているだろう。
公式には、「バロット」と呼ばれる抽選に当選しないと入手できないプラチナチケット、それがウィンブルドンのセンターコート観戦チケットだ。
それを、もっと多くの人の手に渡るようにと考えられたのが、ウィンブルドンが公式に決めたオフィシャルエージェント2社(ロンドンにある)が販売する、観戦ホスピタリティと、それに宿泊とパッケージングしたものだ。
観戦チケットパッケージについて説明する前に、海外でのスポーツ観戦チケットの値段について簡単に触れておこう。
日本では、独占禁止法やそれに関連する法律で、券面に表示された価格以外で販売することが禁止されているが、海外ではそんなことはない。市場のニーズに合わせて価格は高くもなり、安くもなる。
ウィンブルドンの観戦チケットは、その希少性からバブルのころに非常に高騰した。一説によると、価格を釣り上げたのは、バブルに踊った日本人だという説もある。
そんなわけで、ウィンブルドンはバロット以外の販売方法では、チケット価格を隠したかった。それで宿泊やいろいろなサービスを付加して、パッケージングして販売することになったのだ。
現在、当社を含め日本市場で販売されているウィンブルドンの観戦チケットは、すべてこのシステムのもとに販売されている。当たるかどうかわからないが、券面額通りで購入することが出来るバロットか、高くても確実にウィンブルドンで観戦したいから観戦パッケージのチケットを購入するかは、その人次第だ。
細かなことはさておき、ウィンブルドンを楽しむためのあれこれを書いていこう。
ロンドンからウィンブルドンまで
地下鉄ディストリクト線南行きの終点がウィンブルドンという駅だが、ここまで行ってしまうとかえって会場から遠ざかってしまう。
実は、最寄り駅は、その2つ手前のサウスフィールド(Southfields)駅で、15~20分程度歩けばウィンブルドンの会場に着く。駅からバスも運行しているが、大会開催中は道が非常に混雑し、歩くより到着が遅いかもしれない。
徒歩で15分はとても遠いように感じるだろうが、天気が良い日は、ウィンブルドンまでの一本道Church Roadを多くの人が連なって歩いているので、さほど遠いとは感じない。まわりはロンドン郊外の高級住宅街、緑も多いし、散歩している気分でついてしまう。
上述の観戦パッケージを申し込んだ人には、サウスフィールド駅から、会場のメインゲート前に設置されたホスピタリティサービスを提供するクラブハウスまで、シャトルサービスがある。筆者もこれを利用したことがあるので、そのビデオを紹介する。
ウィンブルドン会場からChurch Roadを渡った反対側、普段は駐車場になっている広大な芝地に、ウィンブルドン公式エージェント2社が、それぞれクラブハウスを設置している。
1社はメインゲート前のCar Park No.5、もう1社はNo.1コートに近いゲート前のCar Park No.8だ。サウスフィールドから歩いてくると、先にNo.8のクラブハウスが右手に見えてくる。
ここまでくれば、ウィンブルドンで観戦できることへの期待感でワクワク度Maxだ。しかし本日はここまで。
後日、いよいよ会場内へ入り、広大なウィンブルドン会場を紹介する。
《「ウィンブルドンを楽しもう〜その2」に続く》
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